院長 コラム Vol.1
Vol.1 #予防の話 初めまして。4月より幕張分院の院長に就任しました根本です。 大学を卒業してから研修医を経て、大学病院口腔外科から館山にある本院へ出向、それ以来歯科と口腔外科中心に臨床を行ってきました。 この度、院内広報で少しページをもらいましたので 歯科のお話のあれこれを書かせていただこうかと思います。 目を通していただくと役に立ったり立たなかったり‥。 普段見えないお口の中と歯科が少しイメージできるようになっていただければ幸いです。 さて、今回は予防のお話を。 皆様の中の歯科医院は何をしに行くところでしょうか? 僕は実家が歯科医院では無いので、正直言って歯医者は学校検診で指摘されたら行くだけとおおよそ意識低め‥。 麻酔の注射が嫌だなぁとか思いながら、治療した後の詰め物や被せ物がいくつか入っています。 歯科医師を目指す大学の同級生たちとはだいぶ口腔環境が違いましたし、この時点で僕の中の歯科医院は『虫歯を治しに行くところ』でした。 大学で臨床過程に入ると、病気の診断、治療方針の立て方、虫歯の治し方や入れ歯の作り方、歯周病の治療や口の中に限らず頭頸部にできる病気などの知識と技術をワシワシ詰め込み卒業します。 もちろん衛生学で習いますよ、公衆衛生と予防。 でもこれ、目の前のトラブルは解決できないんです。 そして『どれだけ上手に虫歯を削って詰めれるか』を追求する研修医が誕生しました。 ところでご存知の方も多いかと思いますが、成人の永久歯は全部で28本。 真ん中の前歯を境にお口の中は上下左右対称ですので、歯は各ブロックに7本ずつ生えます。8本目の歯が親知らずですね。 80歳で20本以上の歯を残そうという企画、8020運動を厚労省(当時の厚生省)が打ち出したのが1989年。 スタート時の達成率はわずか7%程度、平均残存歯数は4〜5本だったそうです。 実は僕が大学を卒業する頃(2007年)には既に21%を達成、その2年後には25%を達成しています。 長期計画で残存歯数を増やすのに効率的なのは年代ごとのステージに合わせてかかりやすい病気の予防と早期治療。そう、世の中は既に残存歯数を増やすために予防へとシフトしていたのです。(ちなみに2016年で達成率は51%になっています) 虫歯を上手に削ってきれいに被せるのではなく、そもそも小さいうちに治してしまう。もっと言えば作らないが理想です。 また、歯を失う原因の最も多い理由が歯周病です。 こちらも最近は歯周病予防用の歯磨きペーストのコマーシャルをよく見かけるようになりましたね。 どちらも予防の基本はブラッシングと口腔ケア。 こういった話のあれこれを次回から広げていこうと思います。